「Windowsのフォント」「Officeのフォント」商用利用して大丈夫?

2023/04/24

デザイン フォント

B!

Windowsに標準搭載されているフォントや、さらにMicrosoft Officeに付属のフォントのライセンスの使用可能範囲、つまるところ商用利用は可能なのか?疑問に思うことがあります。
MSゴシックって、HG行書体って、商用利用していいの?

仕事で「HG○○」を使ってほしいといったご要望を頂くことがあり、使用できるかできないかを明示しなければと改めて調べてみることにしました。
(ちなみにこのフォントに関しては別途ライセンスを購入しなければ商用利用できないため、似たフォントの使用を提案しました)

「Windowsのフォント」はOK、「Officeのフォント」はNG

結論から言うと、「Windowsのフォント」は商用利用可能で、「Officeのフォント」はそのままでは商用利用できません。

Windowsのフォント

「Windowsのフォント」として代表的な物はMS明朝、MSゴシック等があります。

Officeのフォント

「Officeのフォント」とは、「Microsoft Office」に付属されているフォントのことを指します。
Microsoft OfficeはWindowsのパソコンを購入時にプリインストールされている場合もあります。
そうしたWindowsパソコンを購入すると「Officeのフォント」もプリインストールされた状態のため、判断が難しくなってしまうかと思いますが、別途ライセンスを購入しなければ商用利用はできないため注意が必要です。
主にHG明朝、HG行書体といった「HG○○」という名前のフォントなどが挙がります。

Windowsに付属の標準フォントは商用利用可能

Windows Vista以降のWindowsに標準で付属しているフォントは、商用可能となっています。

  • MS明朝
  • MSゴシック
  • メイリオ
  • 游ゴシック
  • 游明朝

これらのフォントはWindowsのOSへ同梱するにあたりフォント開発元からMicrosoftへ販売権を譲渡されMicrosoftのライセンスで商用利用可能です。
以前は商用不可なのか?と声が上がることが多くありましたが、現在では使用範囲が明示されるようになりました。

MS ゴシック、MS 明朝相当のフォントについて知る | 産業向け製品 | リコー

【リコー公式サイト】MS ゴシック、MS 明朝に相当するフォントについて違いなど詳しくご紹介いたします。バージョンによる違い、収録している文字の違い、文字の大きさによってビットマップフォントに切り替わる仕組み、など。

OS搭載の游書体について

OS搭載の游書体について

有限会社字游工房は書体デザインに関わるご要望にお応えいたします。これまでに携わった仕事や、弊社が開発し販売している游明朝体や游ゴシック体などの游書体ライブラリーフォントについて詳しくご覧いただける公式サイトです。

また、こちらのライセンスの使用範囲は以下のようになります。

  • 表示・印刷(アプリで表示する場合など):プリンターなどへの一時キャッシュも含め、無償。印刷物やグラフィックスファイル、会社のロゴの制作にも用いることもできる。成果物(本、レポート、Tシャツ、工芸品)を販売してもよい。ただし、明示的に非商用・家庭用・学生用とされたライセンスのアプリ(家庭向け「Microsoft Office」アプリなど)を使っている場合はダメ
  • Webでの利用:Webブラウザーに表示するのはよい。Webサーバーにフォントファイルをコピーして利用したり、ファイル形式を変換したりしてはいけない(元の制作者から入手できる場合があるので、そちらへ問い合わせる)
  • 文書への埋め込み:フォントファイルの再配布は一般的に許可されていないが、ドキュメントへの埋め込み(編集可能な埋め込み)に関しては特別に許可されている(サードパーティ製フォントは“印刷とプレビュー用として埋め込み”であればOK)

引用:Windowsの標準フォントってどこまで“タダ”なの? ~最新の状況をまとめたブログ記事が人気 - やじうまの杜 - 窓の杜

ライセンスがMicrosoftのフォント

Fontsフォルダ内の各フォントファイルから右クリックでプロパティを開くと、各フォントのライセンスが確認できます。

例えばMSゴシックだと、著作権はリコーですが、商標・ライセンスはMicrosoftにあります。

Microsoft Officeに付属のフォントを商用利用するには別途契約が必要

「Microsoft Office」を購入しインストールしたり、あらかじめOfficeがインストール済みのPCを購入したりする場合、フォントが付属します。
OfficeがプリインストールされたPCでは、フォントもインストール済みですが、このフォントはMicrosoftにライセンスがないものがありますので、商用利用を考える場合はよく確認してください。

主に以下のフォントは商用で使うことはできません。

「HG○○」リコー製フォント

  • HG明朝
  • HG行書体
  • HGゴシック

これらの「HG○○」という名前のフォントは株式会社リコーのフォントで、リコーの使用許諾範囲に従う必要があります。
商用利用するためには、商用利用ライセンスを別途購入しなくてはいけません。

リコーのサイトで詳しく図付きでわかりやすく解説してくださっています。

フォントのライセンスでできることの範囲を見る/広げる | フォント | 産業向け製品 | リコー

【リコー公式サイト】無償で何ができるのかなど、フォントの商用利用について詳しくご説明いたします。ご利用用途によっては、商用利用ライセンスとは別のライセンス(サーバー用、ゲーム用、組込み用ライセンス)が必要となる場合があります。

「DFP○○」ダイナフォント

  • DFP勘亭流
  • DFP教科書体
  • DFP行書体

これらの「DFP○○」という名前のフォントはダイナコムウェア株式会社製フォントで、個人での使用に範囲が限られます。

ダイナフォントの使用許諾(商用利用・非商用利用)について教えて下さい。 | フォント・書体の開発及び販売 | ダイナコムウェア株式会社

ダイナフォントの使用許諾(商用利用・非商用利用)について教えて下さい。 | フォント・書体の開発及び販売 | ダイナコムウェア株式会社

ダイナフォントの使用許諾・商用利用について

商用利用する場合は、事前に用途に応じた「許諾契約」が別途必要となります。

標準付属のフォントにも使用許諾範囲は様々

ソフトに付属され、ソフトと一緒にインストールされるフォントは様々あるので気を付けないとですね。
特にOfficeがインストール済みのPCを購入するとフォントが最初から入っていて意識しにくくなってしまうため注意が必要です。

参考にさせていただいたブログ

Windows標準フォントに関するライセンスについて詳しくまとめてくださっている記事「Windows標準フォントの”今” | ALBA LUNA」を参考にさせていただきました。
ライセンスの記載されている公式ドキュメントの情報など、詳細にまとめていただいているため、フォントを商用利用する際にはご一読をおすすめします。

Windows標準フォントの”今”  |  ALBA LUNA

Windows標準フォントの”今” | ALBA LUNA

Windows標準フォントについて、かなり昔の情報が出回っており、かつMicrosoft公式のページが検索でトップヒットしないことから、この記事を書きました。 この記事の初版・更新日はタイトル下に表示

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